人口と少子高齢化の世界統計
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高齢化を「二つの分母」で読む――六十五歳以上人口統計の比較作法

人口と少子高齢化について、世界の統計を定点観測する

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高齢化は、割合の置き方で見え方が変わる

「六十五歳以上人口」という統計は、高齢化の進み方を知るための基本的な手がかりです。しかし、同じ年齢層を扱っていても、何を分母にするかによって読み取れる内容は変わります。

世界銀行の「総人口に占める六十五歳以上人口の割合」は、国全体の人口構造を読むための指標です。子どもや働く世代を含む人口全体の中で、高齢者がどの程度の位置を占めているかを示します。社会全体の年齢構成を国や地域の間で比較するときに役立ちます。

一方、「男性人口に占める六十五歳以上男性の割合」や「女性人口に占める六十五歳以上女性の割合」は、男女それぞれの人口を分母にします。この指標では、人口全体の高齢化だけでなく、男性と女性で高齢化の姿がどのように異なるかを確認できます。

指標の種類分母読み取れること
総人口に占める六十五歳以上人口の割合男女を合わせた総人口社会全体の年齢構造
男性人口に占める六十五歳以上男性の割合男性人口男性の年齢構成
女性人口に占める六十五歳以上女性の割合女性人口女性の年齢構成
六十五歳以上人口の実数分母を置かない人数高齢者の規模

「割合」と「人数」は別の問いに答える

割合が高い国は、必ずしも高齢者の人数が多いとは限りません。人口規模が異なる国を比べるとき、割合は年齢構造を、実数は高齢者の規模を示します。前者は社会全体の構成を考えるのに向き、後者は介護、移動、住宅、地域サービスなどの需要の広がりを考える際の基礎になります。

逆に、実数だけを見ても、人口全体の中で高齢者がどれほど大きな層なのかは分かりません。人口の多い国では高齢者の人数が大きくなりやすい一方、割合は低く見えることがあります。したがって、国際比較では、割合と実数を混同しないことが重要です。

男女差は「高齢女性」「高齢男性」の姿を分けて考える

男女別の指標は、高齢化を一つの平均値にまとめないために使います。女性人口の中で高齢者が占める割合と、男性人口の中で高齢者が占める割合を分けて見ると、同じ国でも男女で異なる人口構造が現れる可能性があります。

この差は、年齢構造を読むための情報であり、それだけで生活状態や健康状態、所得、家族関係を判断するものではありません。統計が示すのは人口の配置です。個人の暮らしを直接説明する指標ではない点に注意が必要です。

「八十歳以上」は高齢化の深さを見る補助線

六十五歳以上という境界は、高齢者層の全体を捉えるのに適しています。一方、八十歳以上人口の割合は、その高齢者層の中でも、より高い年齢に達した人々の存在を考えるための補助的な指標です。

世界銀行には、男性人口と女性人口をそれぞれ分母とする八十歳以上の指標があります。六十五歳以上の指標と組み合わせることで、高齢者層の広がりだけでなく、年齢の高い層がどのように構成されているかを検討できます。ただし、ここでも男女別の割合と、八十歳以上の人数は別の情報です。

年をそろえ、出典の定義を確認する

国際比較では、同じ指標名でも観測年がそろっているかを確認する必要があります。各国の最新値だけを並べると、国ごとに異なる時期を比較することになり、差の原因を読み違えるおそれがあります。

また、世界銀行の人口指標は、国連人口部の人口推計を出典として掲載しています。データを利用するときは、対象年、性別、分母、人口の実数か割合かを確認しましょう。年齢の境界が同じでも、指標の設計が異なれば、答えている問いも異なります。

高齢化を理解する第一歩は、単に「高齢者が多いか」を問うことではありません。総人口に対する位置、男女別の構成、高い年齢層の広がり、そして人数の規模を分けて読むことです。そうすることで、スペイン語圏を含む多様な国や地域の人口構造を、制度や慣行の違いを越えて比較しやすくなります。

出典

https://data.worldbank.org/indicator/SP.POP.65UP.TO.ZS

https://data.worldbank.org/indicator/SP.POP.65UP.MA.ZS

https://data.worldbank.org/indicator/SP.POP.65UP.FE.ZS

https://data.worldbank.org/indicator/SP.POP.65UP.TO

https://data.worldbank.org/indicator/SP.POP.65UP.MA.IN

https://data.worldbank.org/indicator/SP.POP.65UP.FE.IN

https://data.worldbank.org/indicator/SP.POP.80UP.MA.5Y

https://data.worldbank.org/indicator/SP.POP.80UP.FE.5Y

https://unstats.un.org/sdgs/dataportal