人口と少子高齢化の世界統計
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若年女性人口減少率ランキングを読む前に――順位より先に確認したい統計の条件

人口と少子高齢化について、世界の統計を定点観測する

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「若年女性人口減少率」は、数字を並べるだけでは作れない

若年女性人口減少率ランキングは、地域や国ごとに若い女性の人口がどれほど縮小したかを比べる記事です。しかし、順位を示すには、少なくとも比較する対象、年齢の範囲、基準時点、比較時点、性別、人口の定義がそろっていなければなりません。

今回確認できる資料には、若年女性人口そのものを、複数の時点と地域別に並べた統計は含まれていません。したがって、減少率の大きい順に国や地域を並べることはできません。ここで別の統計や推計を補えば、見かけ上のランキングは作れますが、資料にない数値を加えることになり、正確な比較とはいえません。

この点は、日本の読者が人口問題を読む際にも重要です。「若年」「女性」「人口減少率」という言葉がそろっていても、それぞれの定義が違えば順位は変わります。若年をどの年齢階級とするか、居住人口を見るのか、出生数など別の指標を見るのかによって、同じ地域でも結果の意味は異なります。

確認できる資料が示すもの

今回の資料で確認できるのは、人口の減少率ではなく、年齢階級別の医療統計です。例えば、全国の15~24歳について、2023年の感染症及び寄生虫症の総患者数は107千人でした。同じ年の5~14歳では163千人です。また、15~24歳の推計外来患者数は282.7千人でした。

これらは医療サービスの利用や患者数を示すデータであり、若年女性の人口規模や、その増減を直接表すものではありません。さらに、提示された数値には性別を限定した人口減少の比較もありません。そのため、医療統計から若年女性人口のランキングを逆算することもできません。

指標対象時期数値人口減少率への利用
感染症及び寄生虫症の総患者数全国・15~24歳2023年107千人直接は利用できない
感染症及び寄生虫症の総患者数全国・5~14歳2023年163千人直接は利用できない
推計外来患者数全国・15~24歳2023年282.7千人直接は利用できない

ランキングを作るために必要な視点

若年女性人口減少率を比較するには、まず同じ年齢区分の女性人口を、比較する二つ以上の時点で確認する必要があります。そのうえで、基準時点から比較時点までの変化を、基準時点の人口に対する割合として計算します。

ただし、人口が減った理由は一つとは限りません。出生数の変化、進学や就職に伴う移動、地域間の転出入、年齢構成の違いなどが重なります。減少率の順位だけを見て、地域の暮らしや制度を単純に評価することはできません。

また、ランキングは比較しやすい一方で、差の大きさや背景を見えにくくします。人口が少ない地域では、人数の変化が率に大きく表れる場合があります。反対に、人口規模が大きい地域では、減少率が小さくても変化した人数が大きい可能性があります。率と実数は、別々の情報として読む必要があります。

今回の資料から言えるのは、若年層に関する医療統計が存在すること、そして人口減少率ランキングには別種の人口統計が必要だということです。順位を急いで示すより、比較可能な分母と時点をそろえることが、各国・各地域に通じる人口報道の出発点になります。

出典

https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0004026137

https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0004026084